第4回「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

2013.11.02.sat/メイプルホール

第4回「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」は、子どもが自分たちで好きな本を選び賞を贈るという、全国的にも珍しい取り組みとして知られています。第4回となる今年は、9月に市内の各小中学校で投票が行われ、絵本賞・作品賞・主演男優賞・主演女優賞・ヤングアダルト賞の五つの部門の受賞作が決定しました。
授賞式は、11月2日(土曜日)メイプルホール大ホールで行われました。「子どもが選ぶ賞」だけあって、授賞式の司会・進行を務めたのは、小中学生の実行委員たち。たくさんのお客を前に少し緊張しながら、それでもしっかりと受賞作を発表していきました。

●絵本賞(小学1〜2年生)
「としょかんねずみ」(ダニエル・カーク/作、わたなべてつた/訳)
翻訳者・わたなべてつたさんからのメッセージ
「作者のダニエル・カークは、作品の中で『どんな小さい、か弱いものでも、言いたいことはちゃんとある』という思いを伝えようとしています。勇気を出して物語を書いたねずみのサムのように、みなさんも何か自分だけの作品を作ってみてください。
箕面の図書館にも、としょかんねずみがいるかもしれませんね」

●作品賞(小学3〜6年生)
「黒い本」(緑川聖司/作 )
作者・緑川聖司さんのコメント
「怪談というジャンルは、課題図書になったり賞の候補になりにくいもの。私の作品に賞をくれるのは、箕面世界子どもの本アカデミー賞ぐらいでしょう。子どもが選んでくれたということが、何よりうれしいです」

●主演男優賞(小学3〜6年生)
「ノエル先生としあわせのクーポン 」(シュジー・モルゲンステルン/作、宮坂宏美・佐藤美奈子/訳)より、ノエル先生
作者・シュジー・モルゲンステルンさんからのメッセージ
「読者が気に入ってくれるように、と思いながら作品を書いています。みなさんは、そんな私の願いをかなえてくれたことになります。私のもう一つの願いは、日本に行くこと。いつか行けたらと思っています。
私も以前、ちょっと変わった先生として、学校に勤めていたことがあります。ノエル先生は、私の理想の先生なんです。伝えたいことがちゃんと伝わっていて、自分の作品でも特に気に入っています。ノエル先生を選んでくれて本当にありがとう。
みなさんの人生がどうか豊かなものでありますように」
翻訳者・宮坂宏美さんと佐藤美奈子さんのコメント
宮坂さん
「フランス語で書かれたノエル先生は、いろんな国の言葉に翻訳されています。英語版を読んで惚れ込んだ私は、日本語への翻訳を決意しました。
海外にも、子どもが選ぶ本の賞がいくつかあります。そういった賞の一つ、フランスのクロノス賞もノエル先生は受賞しており、やはり子どもに支持される作品なんだなと改めて思いました」
佐藤さん
「翻訳は英語版から行われたのですが、より原語に近づけるため、フランス語版からのチェックを私が担当しました。大人が読んでも面白い作品だと思います」

●主演女優賞(小学3〜6年生)
「魔女の宅急便」(角野栄子/作)より、キキ
受賞した魔女のキキからのメッセージ
「私はキキです。私が主演女優賞をいただいたなんて、うれしくて、思わず作者の角野さんといっしょにほうきに飛び乗って、空高く舞い上がって、箕面の方角をながめました。もちろんネコのジジもいっしょです。『キキが主演女優賞なら、ぼくは主演ネコ賞だよね』とジジは言っています。
これからも私の長い物語を楽しんでくださいね。みなさん、本当にありがとう。
キキより。そして、ジジより」
※なお、このメッセージは作者の角野栄子さんから、宅急便で届きました。

●ヤングアダルト賞(中学生)
「卒業ホームラン」(重松清/作)
作者・重松清さんからのメッセージ
「卒業ホームランを選んでいただき、ありがとうございました。
これからもたくさん、いろんな本を読んでください。」

舞台に上がった受賞作の作者、翻訳者、出版社のかたに、各賞のトロフィー「オスカー像」、そして子どもたちからの感想の束が手渡されました。
今年のオスカー像は、市立第六中学校美術部の生徒による陶芸作品で、「惑星」をテーマに製作されました。

授賞式の第二部は、「黒い本」の作者・緑川聖司さんによる講演です。まずは、箕面の子どもたちからの緑川さんへの質問コーナー。「なぜ作家になろうと思ったのですか?」「怖い本を書いていて、夢に出てきませんか?」といった質問に、緑川さんは丁寧に答えていました。
続いての講演、テーマは「こわいはなしのつくりかた」。大学の卒業論文で「学校の怪談」をテーマに選んだという緑川さんは、子どもから子どもに伝えるシンプルな話の面白さに魅せられ、自分で書いた怪談を投稿するようになり、それが「黒い本」の出版につながっていきます。話を書く際は、必要以上に残酷な描写を避け、「シンプルでわかりやすくて面白くて怖い」を目指している、ということでした。

その後、受賞作のセットが当たる抽選会、ロビーでのサイン会が行われ、サインしてもらった本を手に作家と写真を撮ったりしながら、和やかな雰囲気のうちに今年も無事にお開きとなった「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」でした。

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