「第9回箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

2018.11.17.sat/メイプルホール

「第9回箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

 子どもたちが自分で好きな本を選び、賞を贈る「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」。
全国でも他に例のないユニークな取り組みとして、注目されています。
 各小中学校で行われた投票の結果、絵本賞・作品賞・主演男優賞・主演女優賞・ヤングアダルト賞の五部門の受賞作が決定しました。
 授賞式は11月17日(土曜日)午後2時から、メイプルホール大ホールで行われました。
小中学生の司会・進行で、出席した受賞作家のみなさんに、順番に賞が贈られました。

●絵本賞(小学1〜2年生)
「あっ、ひっかかった」(オリヴァー・ジェファーズ/作・絵、青山南/訳)
翻訳者・青山南さんのコメント
「子どものみなさんが選んでくれたのが、何より嬉しいです。
今日はみなさんに『奇想天外』という言葉をご紹介します。
この絵本の主人公のように、困ったときに、ふだんはとても思いつかないような『奇想天外』なやり方がうまくいくかもしれません」

●作品賞(小学3〜6年生)
「おれがあいつであいつがおれで」(山中恒/作、杉基イクラ/絵)
作者・山中恒さんのメッセージ
「今から50年ほど前に書いたものですが、当時は内容が下品だ、エッチだとさんざん言われました。それが小中学生の支持で生き永らえ、今日こんな賞を頂けるなんて、この87歳のじじいは嬉しくてアワアワしています。世界中で翻訳され、海外の子どもたちから『誰かと入れ替わってみたい』といった感想ももらいました。みなさんも、誰かと入れ替わってみたら?と想像してみてください。そしてこれからも本をたくさん読んで、豊かな想像の芽を育ててください」

●主演男優賞(小学3〜6年生)
「もののけ屋 一度は会いたい妖怪変化」(廣嶋玲子/作、東京モノノケ/絵)より、もののけ屋
作者・廣嶋玲子さんのコメント
「まずノミネートに喜びましたが、他に『がまくんとかえるくん』や『ローワン』がいたので無理だと思っていました。それが受賞となって驚いています。この物語は、もののけのレンタル屋があったらいいなと思って書き始めました。普通の主人公ではつまらないので、ド派手な着物でおネエ言葉の妖しい坊主という設定にしました」
画家・東京モノノケさんのコメント
「最初に描いた主人公のラフは、もっとおじさんだったのですが、『もっと若いイケメンで』と注文があり、今の姿になりました」

●主演女優賞(小学3〜6年生)
「パンプキン!模擬原爆の夏」(令丈ヒロ子/作、宮尾和孝/絵)より、ヒロカ
作者・令丈ヒロ子さんのコメント
「まず驚いたのが、作品賞を山中恒さんが受賞したことです。山中先生は私の文学の師匠で、いつまでも気持ちが若い少年のようなかたです。私の作品は7年前のもので、受賞に驚きましたが、山中先生は50年前(笑)。『どうだ、すごいだろう』と言われてるようで、でも感激しています。『パンプキン!』はもともと、私自身の経験をノンフィクション作品として書く予定でしたが、子どもたちにより親しんでもらうために、ヒロカという主人公が誕生しました。勉強が苦手で食べるのが好き、元気で明るい大阪の女の子で、そんなヒロカが好きだと箕面の子どもたちが言ってくれたことが嬉しいです」

●ヤングアダルト賞(中学生)
「そして誰もいなくなった」(アガサ・クリスティー/著、青木久惠/訳)
訳者・青木久恵さんのメッセージ
「今回の受賞は、訳者として大変嬉しいです。ミステリーの女王、アガサ・クリスティーは、素晴らしい推理小説をたくさん残していますので、他の作品もぜひ読んでください。そして、原文にも挑戦してみてください。クリスティーをより身近に感じられると思います」

 受賞者に贈られるトロフィーの「オスカー」。今年は第一中学校クリエイティブ部により、受賞作をイメージした像が制作されました。受賞者のみなさんは、世界で一つだけのオスカーと、箕面の子どもたちからの手紙を受け取って、喜びの表情を浮かべていました。
 受賞式のあとには、受賞作が当たる抽選会、ロビーではサイン会が行われました。
実際に作家のみなさんと対面して言葉を交わし、サインをもらった参加者のみなさんはとても満足そうに、またとない交流の機会を味わっていました。

page top