箕面・世界子どもの本アカデミー賞、授賞式が行われました

2010.11.16.tue/メイプルホール

箕面・世界子どもの本アカデミー賞、授賞式が行われました

 11月14日、日曜日の午後2時から、メイプルホールの大ホールで「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式が行われ、たくさんの人が詰めかけました。
 「子どもたち自身が選ぶ、子どもによる賞」という、全国的にも例がないユニークな取り組みとして注目されたこのアカデミー賞。箕面市内の小中学生が、各部門で自分の好きな作品に投票し、最も多くの票を獲得した作品が賞に選ばれました。

◆絵本賞「じごくのそうべえ」田島征彦/作 (小学1、2年生)
◆作品賞「幽霊屋敷レストラン」怪談レストラン編集委員会/編 (小学3〜6年生)
◆主演男優賞 ミルキー杉山「もしかしたら名探偵」杉山亮/作 中川大輔/絵(小学3〜6年生)
◆主演女優賞 やまんばあさん「ドングリ山のやまんばあさん」富安陽子/作 大島妙子/絵 (小学3〜6年生)
◆ヤングアダルト賞「バッテリー」あさのあつこ/作(中学1〜3年生)

 授賞式は、小中学生が自ら司会、プレゼンターといった進行役を担当して進められました。受賞者に贈られるオスカーも、子どもたちがデザインし、手づくりしたもの。それぞれ形が異なり、この世で一つの逸品となっていました。
 主演女優賞のやまんばあさんは、296歳。おそらく史上最高齢の受賞かと思われますが、残念ながら冬ごもりの支度で忙しく、出席できませんでした。作者の富安陽子さんが受賞を伝えたところ「主演女優賞?それは、おいしいものかい?」と言っていたそうです。
 ヤングアダルト賞を獲得した「バッテリー」の作者、あさのあつこさんは、岡山県美作市からの来訪。「子どもたちが選んでくれた、そのことが嬉しいです。書いてきて良かった、これからもがんばります!」と喜びを表わしました。中学生たちからあさのさんへの質問の場も設けられ、「主人公にモデルはいるんですか?」といった質問に「特定のモデルはいないんです。その時に本当に書きたいと思った人物を書くようにしています」と答えるあさのさんでした。
 「じごくのそうべえ」で絵本賞を受賞した田島征彦さんは、「35年前の作品ですが、子どもたちにとっては常に新しく感じられる、そんな絵本だと思います。これからもそんな思いで作っていきます」と語りました。式の後半では、田島さんによる「じごくのそうべえ」「あつおのぼうけん」の自作読み語りも行われ、映し出されたスライドの絵と語りに、観客は引き込まれていました。
 式の終了後、ロビーで行われたサイン会は長蛇の列。憧れの作家と対面して、サインをもらった子どもたちは、満ち足りた表情を浮かべていました。

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