劇団すずしろ公演「このゆびとまれ」

2012.09.29.sat/メイプルホール

劇団すずしろ公演「このゆびとまれ」

9月29日(土曜日)と30日(日曜日)の二日にわたって、メイプル小ホールでは箕面市のシニア劇団「すずしろ」の本公演が行われました。

「このゆびとまれ」は劇団創立以来、指導・演出を担当されている倉田操さんの友人である俳優・作家の奥井隆一さんが、劇団すずしろのために書き下ろしたもの。劇団すずしろ結成8年目にして初の完全オリジナル作品です。
タイトルの「このゆびとまれ」は子どもが遊ぶ時に言うことば。それが「すずしろ」にぴったりだと、倉田操さんが映画「晴れ舞台はブロードウェイで」にもともと付けていたタイトルでした。映画名は一般向けに変えられましたが、良いタイトルなのでと奥井さんが採用したそうです。

舞台となるのは、シニアの憩いの場となっている喫茶「このゆびとまれ」。
常連客の一人である里恵が、60歳を過ぎ夫の3回忌を終えてまもなく再婚すると言いだしたところから物語は始まります。
世間体が悪いと反対する兄。ああでもないこうでもないと大騒ぎする常連客。しかしそれを機に、一人ひとりが「自分がしたかったことは何だろう」「やり残したことはなんだろう」と真剣に考えるようになるのでした。そして大反対していた兄は…。

現在男性8名、女性16名、合計24名の劇団「すずしろ」。何がおこっても大丈夫なように公演はダブルキャストで臨むことになったものの、二つのチームをA、Bで呼ぶと、なんだか優劣があるみたいだと不評。そこで「紅組」「白組」となづけられたというのはご愛敬。
今年の2月に行われた「60歳からの演劇入門」を機に「すずしろ」に入団したピカピカの演劇一年生も、
元々のメンバーに交じって堂々と演じ切りました。

ストーリーと、演者一人ひとりの生き生きした様子が相まって、胸を打つ舞台でした。観客の皆さんも「元気をもらった」「同じ高齢者としてセリフが身にしみた」「心に響くものがあった」と感激の面持ち。
30日は台風17号のため大雨でしたが公演は予定通り行われ、無事幕を下ろしました。

*劇団すずしろのブロードウェイ進出という快挙を描いたドキュメンタリー映画「晴れ舞台はブロードウェイで!」のアンコール上映が決定しました。
場所:宝塚シネ・ピピア(阪急宝塚線 売布駅下車すぐ)

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