第5回「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

2014.11.01.sat/メイプルホール

第5回「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」授賞式

子どもが自分たちで好きな本を選び賞を贈る「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」。全国的にも珍しい、ユニークな取り組みとして知られています。
第5回となる今年は、7月に箕面市立小・中学校で投票が行われ、絵本賞・作品賞・主演男優賞・主演女優賞・ヤングアダルト賞の五つの部門の受賞作が決定しました。
授賞式は11月1日(土曜日)午後2時からメイプルホール大ホールで開催され、受賞作家を始め、多くの市民が参加しました。司会・進行、プレゼンターはすべて小・中学生が担当し、初々しい表情と声で、大役を務めました。

●絵本賞(小学1〜2年生)
「王さまと九人のきょうだい」(君島久子/訳、赤羽末吉/絵)
翻訳者・君島久子さんからのメッセージ
「世界にも類のない賞をいただき、感激しています。天国の赤羽末吉先生に報告したら、大変喜んでおられました。
こういった本を読んでもらえるのは、ひとえに学校や図書館、地域のみなさんの努力のたまもので、感謝しています」

●作品賞(小学3〜6年生)
「ぼくらの七日間戦争」(宗田理/作 )
作者・宗田理さんのコメント
「この作品はもともと大人向けに書いたのですが、小学生のみなさんが読んでいると聞き、驚いています。いつの時代でも、子どもは秘密基地を作ったりするのが大好きなのでしょう。力を合わせて悪い大人をやっつける、そんな子どもであってくれればと思います。
私は今年で86歳ですが、これからもまだまだ書き続けていきます」

●主演男優賞(小学3〜6年生)
「グレッグのダメ日記」(ジェフ・キニー/作、中井はるの/訳)より、グレッグ
翻訳者・中井はるのさんのコメント
「グレッグには、有名人になりたいという夢があります。この賞を受賞したことで、その夢がかなったことでしょう。この作品は世界中で翻訳されており、みなさんが海外へ行ったときに『グレッグを読んだよ』ということで、外国の子と友だちになれるかもしれません。
どうかみなさんも、グレッグのように、身の回りの面白い出来事を日記に書いてみてください」

●主演女優賞(小学3〜6年生)
「かあちゃん取扱説明書」(いとうみく/作、佐藤真紀子/絵)より、かあちゃん
作者・いとうみくさんのコメント
「主演女優賞をいただいたと聞いて、大変驚きました。そもそも主演女優賞って、魔法を使えたりとか、特別な力を持つ女の子が受賞するものだと思いますが、この『かあちゃん』はどこにでもいるお母さんなんです。宿題したの?お菓子ばっかり食べてちゃダメ!とか言ったりして…この賞は、全国のお母さんの代表としていただいたものと思います」

●ヤングアダルト賞(中学生)
「都道府県の持ちかた」(バカリズム/著)
著者・バカリズムさんからのメッセージ
「実は僕自身、子どもの頃は地理が苦手でした。でもこの本を作ろうと日本地図を眺めているうちに、都道府県の形の面白さに気づきました。みなさんもこの本を読んで、ぜひ地理を好きになってください」

受賞者に贈られたトロフィーは、本場のアカデミー賞にちなんで「オスカー」と呼ばれ、毎年箕面の子どもたちが製作しています。今年のオスカーは、とどろみの森学園創作部による寄木細工で、市松模様が美しい逸品に仕上がりました。受け取った作家のみなさんも、大変嬉しそうでした。

授賞式の後は、受賞作のセットが当たる抽選会、ロビーでのサイン会が行われました。サインしてもらった本を手に作家と写真を撮ったりしながら、和やかな雰囲気のうちに今年も無事にお開きとなった「箕面・世界子どもの本アカデミー賞」でした。

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