みのおキッズシアターwith末成由美 第11弾「アイドルをサガセ!」編

2016.08.28.sun/メイプルホール

みのおキッズシアターwith末成由美 第11弾「アイドルをサガセ!」編

吉本新喜劇の人気女優・末成由美さんと箕面の子どもたちが作り上げるステージ「みのおキッズシアターwith末成由美」。
11年目、第11弾となる今回は「あいどるをサガセ!」編。
ご当地アイドルグループの失踪事件を巡る、怪しい大衆演劇の一座と少年探偵団が繰り広げるドタバタ活劇で、はつらつと演じる子どもたちの演技に、詰めかけた観客は熱心に見入っていました。

<あらすじ>

箕面市青少年吹奏楽団の生演奏に合わせた、スピーディーなダンスで幕が上がります。
ここは「なないろ町」。
子どもたちが遊んでいるところへ、突然派手な格好のおばさんが駈け込んできます。
追われている、どうかかくまってくれ…子どもたちが驚いていると、追手が現れて刀を突き付けます。
そのまま斬りかかってくる追手を、鮮やかな太刀さばきで返り討ちにしていくおばさん。
「また…つまらぬものを斬ってしまった」
子どもたちがびっくりしていると、斬られたはずの追手たちがむくりと起き上がります。
「私たちは、末成座でーす」
大衆演劇の一座で、各地を旅して回っている。これから「なないろ町」で興業するので、応援よろしく!と宣伝して、にこやかに去って行くのでした。

一転して、舞台はアイドルグループの弾けるような歌とダンス。。
なないろ町のご当地アイドル「猫の手スペードNガールズ」です。
でも、みんなどこか浮かない表情。
レッスンはちっとも受けさせてもらえないばかりか、なぜか町の人たちの雑用をボランティアでやる羽目に。
実はこのグループ、「会いに行けるアイドル」の向こうを張って「手伝いに来るアイドル」というのがコンセプトなのでした。
こんなはずじゃなかった、と彼女たちが憤っているところへ、町長が視察に訪れます。
アイドルたちのふてくされたようすを見て、思わず叱りつける担当課長の瀬川。
不満を訴える彼女たちですが、瀬川課長は耳を貸そうともしません。
そんな瀬川が連れてきたのは、新しいプロデューサー・猪山でした。
実は、町長の守口、課長の瀬川、そして猪山の三人は、同い年の幼馴染。
やたら調子のよい割に、何の実績もない猪山プロデューサーを見て、アイドルたちはまた深いため息をつくのでした。

ショッピングモールのイベントステージでは、周辺の町のご当地アイドルたちも参加して、華やかな舞台が繰り広げられていました。
トリを飾るのは、もちろんなないろ町のご当地アイドル「猫の手スペードNガールズ」!
…と思いきや、舞台は空っぽ。
出番を前に、彼女たちは全員どこかへと失踪していたのです。
釈明に追われる猪山プロデューサー。
瀬川は猪山に「失踪のことは誰にも明かすな」と指示します。
集団で体調を崩したとでも誤魔化しておいて、その間に行方を突き止めること。
こんな失態がバレたら、自分の立場が危うくなる…。
いらだつ瀬川を、猪山は呆然と見つめるのでした。

一方、末成座の面々は、空き地で子どもたち相手に踊りを披露していました。
でも、子どもたちのお目当ては、ただでもらえるおもちゃ。
わあっと歓声を上げて、屋台に群がります。
そこにあるのは、何やら怪しげなものばかり。
何か他にないの?
ここで、末成座長の驚くべき能力が明らかにされます。
占いの力で、失せ物のありかを言い当てようというのです。
半信半疑の子どもたちですが、座長が次々に指し示す場所から、無くした物が出てきてびっくり。
すごーい!まるで超能力!
得意げな座長の陰で、座員たちは互いに目配せしながらほくそ笑んでいました。
どうも、何か裏がありそう…。
そのとき突然、探偵のような身なりの青年が登場します。
自称探偵見習い・明智小八郎と名乗るこの男は、一目で末成座の実態を言い当てて見せ、子どもたちには「少年探偵団に入らないか」と誘います。リンタ、ユーリの二人は「面白そう」と探偵団に加わることになりました。

ほっかむり姿でこそこそやって来たのは、失踪したアイドルグループ「猫の手スペードNガールズ」でした。
わからず屋の課長・瀬川に反発し、ステージすっぽかしという思い切った行動に出ましたが、だんだん後悔の念が湧き起ってきます。
そんなメンバーたちを叱咤激励するのは、最年長メンバーのトシ子でした。
高齢化社会に対応するというよくわからない理由により、中学生たちに交じってアイドル活動にいそしむ中年女性。
元をただせば、悪いのは全部瀬川課長だと息巻くトシ子ですが、メンバーたちの憂いは晴れません。
そこへひょっこり現れた、末成座長。
「占い」の看板に目を止めたメンバーたちは、自分たちの将来を占ってくれと頼みます。
しかし、その結果はひどいものでした。
このままだと、全員こっぴどく叱られて、グループは解散。
やっぱり、ダメか…途方に暮れるメンバーたちに、末成座長は「いいアイデアがある」と持ちかけるのでした。

夏祭りの日。
メイン会場から離れた小さな公園に、末成座は屋台を出していました。
そこへやって来た、プロデューサー猪山。そして、町長の守口も姿を見せます。
なぜか二人とも、小学生のかっこうです。
そこへ、探偵の明智小八郎たちに連れられ、瀬川も現れますが、やはり小学生の姿。
小八郎に言われるまま、この服装で来たが、いったいどういうつもりなのか。
いぶかる瀬川を両側から押さえる、猪山と守口。「座長、お願いします!」
気合いもろとも、瀬川に催眠術ををかける末成座長。
三人は、いつしか小学生の頃に戻っていました。
あの頃、瀬川はいつも猪山に泣かされてばかり。守口はそれを黙って見ているだけでした。。
ある日、意を決して、瀬川は猪山に向かっていきます。
取っ組み合って、何度も投げ飛ばされ、ボロボロになりながら、それでもまた向かっていく…。
ついに、守口が割って入り、二人を止めます。
やっぱり、猪山にはかなわなかった…しかし猪山も、意外な根性を見せた瀬川を見直します。
固い握手を交わす三人。この日から、三人の友情は始まったのでした。

催眠術から覚めた、瀬川。
懐かしい少年の日、ひたむきだったあの頃を思い出します。
自分は何を焦っていたのだろう。
ご当地アイドル事業を成功させようとするあまり、周りが見えなくなっていた。
彼女たちに、無理を押しつけ過ぎていた…。
そこへ、「猫の手スペードNガールズ」メンバーたちが駈け込んできます。
すみませんでした!
迷惑をかけました、と揃って瀬川に頭を下げます。
どこへ行っていたんだ、心配したじゃないか!と瀬川は声を荒げますが、やってきた小学生たちも一緒に頭を下げ、自治会長も彼女たちを取りなします。
実は、すべて末成座長が仕組んだ筋書でした。
探偵・小八郎の正体は、なんと末成座の座員で、協力者を装って瀬川に近づかせ、この場におびき出したといいます。
事の成り行きを知った瀬川は、アイドルたちに向かって頭を下げ、これからも一緒にやっていこうと呼びかけるのでした。

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