第33回みのお市民人権フォーラム「人権で考え人権を生きる」

2018.12.08.sat/グリーンホール

第33回みのお市民人権フォーラム「人権で考え人権を生きる」

「いっさいの差別を許さないために話す、語る、伝える、分かち合う」
この統一テーマのもとに開催されてきた「みのお市民人権フォーラム」。
第33回となる今年は、12月8日(土曜日)にグリーンホールで全体会、12月9日(日曜日)に市内の各会場で分科会が行われ、多くのかたが参加しました。
 グリーンホールでの全体会では、実行委員長・来賓あいさつのあと、オープニングアクトとしてトッキの会(箕面市在住在日韓国・朝鮮人保護者の会)と北大阪朝鮮初中級学校のみなさんによる歌や踊り、演奏が披露されました。
 記念講演は「人権で考え人権を生きる」と題して、作家・中山千夏さんが講師を務めました。

「どうも、じゃりン子チエです」
開口一番、こう言って笑いを誘った中山さん。
 大阪の布施出身で、早くから子役として活躍し、歌手・タレントを経て国会議員に当選します。
 その国会では、「個人的には反対でも、賛成せざるを得ない」といった派閥のしがらみ、清濁併せ呑むことを求められる政治家としてのあり方に嫌気がさし、一期で身を引くことに。
 その後、「嫌なことは嫌と言える」市民運動で、原発問題などに関わり、現在は伊豆の伊東市に暮らしながら、作家としての活動に専念しています。
 「人権」という言葉について、中山さんは昔からよく言われていた「権利を主張するならまず義務を果たすべき」という考えに疑問を持ちます。世界人権宣言には義務のことなんか何も書かれていないのに…。
 そんな折、中山さんは知人の学者から「わからないときは原語で考えるといい」と言われます。
 英語で人権は"human rights"。
 "right"には「正しい」という意味があります。
 つまり、「人権」とは「人間として正しいこと」。何か義務を果たさないと得られないものではなく、全ての人間が当たり前に持っているものなのです。
 明治時代に訳語として「人権」という言葉が生まれましたが、訳が良くなかったのでは…と中山さん。誰もが「人並」に生きられる、誰もが持っている命を大切に、人として豊かに生きられる、そういった意味での「人並」という言葉が良いのでは、と語りました。
 女性解放運動に関しては、若き日の永六輔さんとのエピソードも。中山さんの一言をきっかけに、永さんが認識を改め、どんどん理解を深めていった…懐かしそうに振り返る中山さんでした。
 終始笑顔を浮かべながら、柔らかな声で語り続けた中山さんに、会場から大きな拍手が送られました。

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