森羅万象を供養する西江寺の虫供養

2022.10.01.sat/聖天宮西江寺(箕面2丁目)

森羅万象を供養する西江寺の虫供養

 晩夏の名残の強い日差しと、吹き抜ける秋の風が合いまった10月1日(土曜日)、西江寺では、境内の蟲塚に供物を捧げ法要する「みのお蟲供養万燈会」が行われました。
 「蟲」とは生き物全てを指し森羅万象を供養するという意味で、今から1350年前、行基菩薩が都や山を行脚されたとき、腰にさげた壺に虫のなきがらを拾い集め供養したことが始まりと伝えられています。1939(昭和14)年から、関西の虫どころである、箕面の西江寺で行われるようになりました。多くの茶華道家、画家、歌人、俳人たちが、供養とともに、茶会や川柳の会など一席を設ける華やかな催しでもあります。
 境内には、絵や川柳などがしたためられた万灯が飾られたほか、緋毛氈の床几が置かれた門茶席や、花展と立礼の茶会があり、参拝者でにぎわっていました。お茶会の順番を待つ部屋には、虫供養の歴史を知ることができる写真や万灯籠に貼る絵の展示もありました。
 茶席に参加されたかたの中には、毎年参拝されている茶道グループのかたもいて「少し車を走らせるだけで、とても環境が良く別世界を味わえます。今日は大人の遠足です。お茶会の後は、滝道でランチを楽しみます」と笑顔で話していました。
 また、兵庫県の西宮市から、俳句の題材を探しに来られたかたは「今年は参拝者が少ないようにお見受けしましたが、供養での丁寧な読経に感動しました」と話し、「虫供養」は夏、「万灯会」は秋の季語だと教えていただきました。
 このほかにも、茶会に参加された若い女性は「時間に追われる日々の中で、このように静かなひとときを過ごすことで気持ちが落ち着きました。心を落ち着かせる癒やしのいい機会となりました」とリラックスしたようすで話していました。
 西江寺では、毎月初めに茶会も開催されています。まもなく紅葉の移り変わりも楽しめる西江寺へぜひお立ち寄りください。
■聖天宮西江寺(阪急箕面駅から徒歩5分)→公式サイト

page top